残業代をごまかされないための知識

残業代をごまかされないための知識
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残業代をごまかす手口を知っておく

エンジニアになりたいと思っている人の多くが懸念するのが、IT業界の残業実態です。ブラック企業を最初に見極めることは難しく、違法な労働をさせられて疲れきってからブラック企業であることに気づくことも珍しくありません。そうならないためには、ブラック企業の手口についての知識を取り入れておくことです。残業そのものはどの企業にもあることですが、残業代をあの手この手でごまかす企業はまさにブラック企業です。

みなし残業代や固定手当、年俸制

違法残業に「みなし残業代」や「固定手当」「年俸制」が利用されることがあります。みなし残業代とは、毎月の給料の中に残業代を定額で組み込むことです。これについては、みなし残業代が給与に含まれることを隠し、さも基本給が高いように見せかけて人材を確保する企業もあるので注意が必要です。そして、みなし残業代でもあるだけまだいいと思い込ませてサービス残業をさせます。固定手当で残業代をごまかす際は、残業代という名目ではないが残業代として支払うという言い分を持ち出して話をうやむやにします。年俸制も同じで、「1年分の報酬は決まっているので残業代はない」という理屈を当然と思い込ませ、本来支払うべき残業代を支払いません。これらの手口は、ブラック企業にとっては、定額で社員を好きなだけ働かせられる魅力的な制度ということになります。

名ばかり管理職や専門職を利用する

労働基準法では、管理職に対して残業代を支払わなくて良いことになっています。この制度を悪用し、実体のない名ばかりの役職を与えてサービス残業を強いる企業があります。本当の管理職であれば一般社員より待遇が良く、自分を含め以下社員に対する権限を持ち、業務内容や自身の出勤・退社時間について自由に決定することができるはずです。もし管理職の条件に当てはまらないなら、一般社員として残業代をもらう権利があります。店長クラスなのにアルバイトより収入が少ないというような状況は要注意です。エンジニアの場合、裁量労働制を悪用して残業代をごまかされてしまうことがあります。本来なら仕事の自由度が高くて会社の管理が及ばないような働き方をする人に適用される制度ですが、仕事の自由度が低いエンジニアにも裁量労働制を適用して違法に働かせます。

リモートワークを利用する

近年注目されている働き方でもあるリモートワークを、残業代をごまかすために利用されてしまう場合があります。自宅やカフェなど、職場以外の場所に持ち出して行った仕事を「自主的なもの」とし、「就業時間内に仕事が終わらないのは本人の努力不足」と責任を転嫁して残業代を支払いません。このような場合、働いた証拠の残らないリモートワークを見越して故意に業務量を増やし、残業代をごまかしているのです。具体的な手口にはいろいろなものがありますが、ごまかしに利用されやすい要素を知っておくことで、違法な残業実態にすぐ気付くことができます。

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